この記事はQiita 3-shake Advent Calendar 2025 シリーズ1日目の記事です。
2025年11月22日(土)に、Google Developer Group - DevFest Tokyo 2025があり、その招待制懇親会でLTをさせていただく機会がありました。
「学術的根拠から読み解くNotebookLMの音声活用法」というタイトルで、NotebookLMの音声解説で学習する際のポイントを過去のマルチメディア学習の学術的根拠や実験を基にまとめました。
1ページずつ解説をさせていただきたいと思います。
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1枚目は表紙です
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2枚目は自己紹介です。
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Notebookでの音声を作る操作方法です。
画面にドキュメントなどをアップロードし、音声解説ボタンを押すだけで簡単に作れます。
音声は、男女掛け合いのPodcast形式です。
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仕事や学業で、難解なドキュメントを読む場面は多々あると思いますが、NotebookLMの音声解説機能により、学習効率が高められるか期待が高まっています。
AIによって作られた音声がどれだけ学習効果があるか過去のマルチメディア学習の学術的根拠実験を基に解説していきます。
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学習効果を測定する実験も行いました。
とある専門的なドキュメントを音声化して実験に用いました。被験者は熟達者(エキスパート)と初学者のグループに分かれます。
熟達者、初学者でそれぞれ、音声の元となったドキュメントのみ読んで学習したグループ、音声のみ聴いて学習したグループ、両方を用いたグループに分かれ、学習後に4択の理解度チェックテストを受けてもらいました。
GoogleスライドをPDF化して文字が崩れているので、直せるなら直しておきます。
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ドキュメント・音声の両方を用いたグループが優位に思えましたが、結果はご覧の通り。
初学者は、実験を1回のみ行い、両方 > 音声のみ > ドキュメントのみ、という期待通りの結果でしたが、
熟達者は、実験を3回行い、両方グループが最高点を取るとは限りませんでした。
なぜ、熟達者は両方グループが優位とは限らなかったのでしょうか?
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初学者の説明です。初学者は音声学習を順書立てて勉強するのが有効です。
構造的ガイダンスを提供することを足場かけ理論といいます。
また、初学者の両方グループは音声を主、ドキュメントを従(文章を読むより、俯瞰的に見る)ことにより、認知負荷分散につながりました。
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一方の熟達者の説明です。
熟達者は、初学者に有効な順序立てた構造的ガイダンスが邪魔になることがあります。
熟達者の知識ネットワークに対して、手厚い構造的ガイダンスが知識をマッピングするのが非常に認知負荷が高いためです。
これを熟達化のリバーサル効果といいます。
また、熟達者の両方群は音声とドキュメント両方から情報を得ようと頑張り、認知負荷が高い状態でした。
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実験の制約により、不利な面もありました。
実験の時間の都合上、音声の一時停止、巻き戻しを禁止していました。音声を一時停止、巻き戻して、自分のペースで聴けるなら、熟達者の両方グループは、音声とドキュメント両方からしっかり情報を取れていた可能性があります。
学習者のペースを守らせることが効率を上げるのですが、例えば、音声や動画の学習をする際、数分ごとに区切って、学習者が「次へ」を押すことで次のパートが始まると学習がしやすいです。
このことを「セグメンテーション原理」と呼ぶのですが、実験の制約上、阻害されたことになります。
また、熟達者の実験の中で、音声のみグループの平均点が低いときがありました。
それは、グラフ・図を見ていないと難しい問題が多く、音声でグラフ・図など視覚的な情報伝達が難しいことを意味します。
また、各グループの点数のばらつきでは、ドキュメントのみグループが最も大きかったです。これは当然と言えば当然で、ドキュメント学習は各個人の学習能力に大きく左右されるためです。
一方、音声は画一的な指導が可能とも言えます。
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実験や学術的根拠から読み解く、音声学習のおすすめとしては、学習者の習熟度を考慮し、
初学者は音声とドキュメント両方を併用し、音声を主、ドキュメントを従とするのが良いでしょう。
一方、熟達者は各個人で使い分けをするのがよく、概要把握や復習、思い出すなどの目的では音声、詳細や図表の把握はドキュメントを使うのがよく、安易に両方同時に使うと認知負荷を増大させるリスクがあります。
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参考文献です。一部、有料のものもありますが、Web検索等で概要を知ることもできます。
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終わりましたが、他の勉強会での登壇情報です。
2025年11月27日(木)に、Jagu'e'r 月末 Tech Lunchの勉強会「月末 Tech Lunch Online#7 - Google Cloud を語る!-」に「MCP・A2A概要 〜Google Cloudで構築するなら〜」というタイトルで登壇した話は、ブログ記事にまとめていますので、よろしければご覧ください。
最後に
3-shake Advent Calendar 2025 シリーズ2の1日目はmasasuzuさんが書いてくれています。
シリーズ1の2日目はyteraokaさんの「VPC Lattice を理解したい」
シリーズ2の2日目はnwiizoさんの「生成AIエージェントによるブログレビュー環境の構築(上)」です。
今後もお楽しみに!